【本論に戻る】他の再生可能エネルギーの可能性と未来(改稿・重要な相違がありました)

 私は、再生可能エネルギーの中でも、特に洋上大規模風力発電に私案を絞ってみた。
 しかし、現在は太陽光発電が一番注目されていると言えるであろう。

 太陽光発電とは、「光」エネルギーを電気エネルギーに変えることができる、「太陽電池」(半導体の一種)のセルを用いて行われる。
 他に太陽「熱」発電もあるが、だいぶ昔にNEDOが、香川県仁尾で、実験をしていたが、やめてしまった。最近、再度研究開始の動きがあるらしい。

 太陽光発電のネックは、長きにわたって、その光=電力変換効率にあった。
 地球上の全体を平均しての話だが、地球大気表面には、1㎡あたり平均、1366w分のエネルギーの太陽光が降り注いでいる。地表にはその6割弱程度とされている。

 仮に、100%の変換効率を持つ太陽光電池があったとしても、平均値を多少超える程度の発電が、1日の間のごくわずかな期間にしか期待できない。
 そして、現在、もっとも光=電気変換効率の高い太陽光電池(以下「セル」)と呼ぶは、40.7%の効率があるとされる。

 1366wの6割弱の41%と言えば、約335w強である。

 現実問題としては、太陽光の持つエネルギーのうち、熱はこのセルでは電気に変換されないので、上記の数字はもう少し下がるものと思われる。
 他方、1366wと言う、「太陽定数」自体が、地上の全体の総平均なので、個々の地点での太陽光発電の効率を語るには、適さないかもしれない。

 思うに、北緯45度前後にある日本では、1㎡あたりの理想的な太陽光のエネルギー量は、700w程度には達するであろう。その41%ととすれば、約300wになる。
 しかし、発電後、各セルを結合して電気を集め、直流から交流に変換し、送電する間にロスが生じる。
 また、夜は発電量は0になる。曇りの日もあれば、雨の日もあるだろう。
 それらの気象データや、太陽光の入射角による減衰を考慮すると、1㎡あたりの最大発電量は、1日を通して、100w以下と考える方が適当だと考える(あくまでも私的意見である。)。

 現在普及しつつあるように、各家庭や、ちょっとしたスペースに、こまめにセルを設置していくのは一つの手ではあるが、現在の変換効率と、メンテナンスの費用を考えると、まだ、完全に、採算性が採れるとは言い切れないレベルである。今の状況の数値は、上記の、1㎡当たり、100wと言う想定よりも低い。

 しかし、理想的な条件、または、今まで無駄に空いていたスペースにセルを設置して、少しでもエネルギーの回収を図ると言う方向性は正しいと思う。

 風力のエントリーでも述べたが、今後、化石燃料の枯渇に伴う、価格高騰で、コスト面の優位性も増してくるであろう。
 ただ、太陽定数は、すぐには変わらないし、人為的に増やすこともできない。鏡との組み合わせや、それに付随する太陽熱発電も組み合わせるなどのハイブリッド型、太陽光発電所が考えられる。

 あくまでも仮定であるが、日照時間の長い地域に、上記の40%の効率のあるセルを組み合わせ設置をして、一部は赤外線を反射する鏡面のように加工して太陽熱を集めて、太陽熱発電もおこなう、などのハイブリッド太陽光発電所が可能かもしれない。

 また、もし、変換効率が、今の倍の80%にまでなれば、上記のような、条件の太陽光発電所では、セルの設置面積を広げれば広げるほど、発電量は多くなる。
 この仮の想定で考えると、1平方キロメートル(100万㎡)の面積に理想的条件でセルを設置するば、約10万kWの発電が可能になるはずである。
 しかし、それは理想的条件での最大値。しかも、セルの効率を、今の最高値の倍と仮定しての話である。
 しかも夜は発電できない、天候の問題もある、などとすると、太陽光発電所の効率はまだまだと言うことになるであろう。

(ここまで、昨日までの記事改稿。太陽定数の定義や数値など、大幅に変えたたため、重要です。間違えて申し訳ありません。)

 既存の最高レベルの太陽光発電セルの倍の効率を達成しても、昼間の最高値で、1平方キロメートルあたり10万kWと言うのは、はたして多いと言うべきか少ないと言うべきか?

 現実の採算性ぎりぎりか、採算性を割り込んでも、今、建設されている「メガソーラー」発電所であるが、関東地区では、東京湾臨海工業地区に2箇所、山梨に1箇所、最大発電出力1000kW(1メガワット)の発電所が建設が決まっている。

 正直、現在の動きは、「環境を重視してますよ」という、電力会社の宣伝の意味が強い。

 しかし、そんな電力会社の思惑は別にして、「あいているスペースには、ユニット型にして、効率的にメンテが可能な発電セル・ユニットをくまなく配置する」ッと言うのは、理想としては追求したい。

 最初に大規模風力発電システムについて書いた(http://d.hatena.ne.jp/nemuri_neko/20100113/1263376627)が、私は、他の自然エネルギーを排除するものではない。そうではなく、適材適所で、利用できるエネルギーは最大洩らさず回収できればと思う。

 太陽光については、上記のような数字であるので、大規模太陽光発電所と言うのは適しないと思う。赤道上の沙漠にでも設置するなら別だが、日本ではない。ただ、技術力は確保し、海外に販売していくことが望ましい。

 そのためにも、個別案件としての発電所を受注するという形よりも、ユニット(たとえば、2kW出力とか、それを交流変換する装置と組み合わせたもの)を製造販売してはどうかと思うし、それに、NaS電池の組み合わせなども考えられると思う。

 以上、太陽光発電に関する、基礎知識を述べた。
 過大な期待は行けないが、利用できるところはする。そして、ユニットを設計、製造して、それを販売する。
 これに尽きると思う。