「政府諮問委員会」とやらへの疑惑

 そもそも、この三権分立のどこにも属さず、しかも選挙によって選ばれるわけでもないのに、政策に影響、時には決定に参与する組織はいつ生まれたのだろうか?
 古くは知らないが、やはり中曽根政権時に、「首相の私的諮問会議」と言われたものが、現在に引き継がれているだろう。
 「土光臨調」などもその一つだろう。

 そもそも、財界人が、ただ単に大企業のTOPだという理由だけで、政策に口をはさむと言うこと自体がおかしい。経済などに知識の無い政治屋どもの、権威づけ、箔づけ以外の何物でもない。

 最近では、やたらと政府委員会を作ったのは、無能と狂気で有名な、安倍晋三だろう。
 特に、教育再生会議とやらは、きゃ奴の妄念とも言うべき、教育基本法の改悪とセットになり、女性への家父長制の下での低い地位に甘んじることを強要し、男性には、お国のために命を投げ出すことを強要するために、教育をいじくろうとしたものだ。笑えることに、ジェンダー教育にもっとも噛みついていたのが、一応女性である奧谷禮子あたりだったりするあたり、安倍の狂気と親和性の高い、狂人の集まりだったと言える。

 国会でも内閣(政府)でもない、「委員会」、「私的諮問会議」、最近は単に、〇〇会議と呼ばれる組織に、政治屋が自分に近い幇間文化人や財界の首脳を集め、自分に都合のよい答申を出させて、それをさも、お墨付きをもらった政策であるかのように実行するという、「政治を壟断する」という言葉がぴったりの、いかがわしい組織だった。

 ついこの前までの麻生政権下での「会議」の中で一番いかがわしかったのは、「安保・防衛懇談会」だと思う。
 もとより、これを設置した狂気の安倍も、麻生も、核武装を排除しないタカ派政治屋だ。その核武装論を弄する政治屋から諮問を受ける会議の長に、ウランやプルトニウムと言う核兵器の材料を所有する、電力会社の集まりである、電気事業連合会の会長の、勝俣某(下の名前はしらない)がついていたこと自体、諸外国に、日本は核武装の意図あり、と声明したようなものである。やすやすとその地位を受け入れた、勝俣某の無神経さも腹立たしい。

 民主党政権になり、作られる一方で、廃止されてこなかった、委員会、会議が、先日17個廃止された。
 まだ残っているものも、今後整理されると言う。

 政府委員会の委員になれば、日当だけで5万円だと聞く、その他会議の事務局、運営費、視察旅行、そして、会議中の飲食など、一つの会議を運営するのに、年間、億単位の金がかかっていたと言う。

 何と言う、茶番、何と言う、無節操。
 そして、三権をないがしろにした、一部の者だけで、政治を動かそうと言う欺瞞。
 民主党には、とりあえず、今までの会議はすべて廃止し、その後、本当に「諮問」会議として、有益なものだけど残すことを求めたい。