財政規律重視か、景気刺激重視か?・・・来年度予算について

 来年度予算策定の山場に来ている。
 税収の落ち込みから、予算支出のうち多くを国債に頼らざるを得ない状況になりつつあるらしい。
 この件に関して、マスコミはほぼ一斉に、財政規律重視、国債発行反対の論陣を張っている(3Kのは論陣とは言わない。いちゃもんという。)。
 テレビでも、コイズミ政権当時の、「国民1人当たりの借金が〇〇円」と言うような表現を使って、財政規律重視の意見を述べている。

 政界では、景気刺激重視の亀井大臣が、鳩山、菅らの民主党幹部に噛みついたことが大きく報じられ、まるで、亀井が悪人であるかのような論調が多い。

 しかし、私は、ここはやはり景気刺激重視だと主張したい。
 そもそも、この不況は、民主党政権成立以前からのものであり、3K(臭い、汚い、けがらわしい)新聞の言う「鳩山不況」と言うのは、的外れも甚だしい。
 あの、麻生ですら、政権発足直後の解散に失敗すると、あとは「今は景気だ」と叫び、数次にわたる補正予算を組んで、景気対策に取り組んだのだ。ただ、その内容があまりにも官僚の言いなり過ぎて、1年がたった今、はたしてどの程度の効果があったのか、検証できずにいる。

 今、景気が悪いのを、「誰が悪い」と言っても仕方が無い、どうするかが重要である。

 私は亀井大臣が、その右翼的思想から大嫌いである。しかし、景気について彼が言っていることは基本的に正しいと思う。補正が何兆円必要か、っと言うことについて、彼の発言もかなりどんぶり勘定で、政権の中枢はもっとその点を精査するべきだと考えるが、今は財政規律よりも、景気刺激の方が重要だと考える。

 財政規律派に問いたい。今の不況の前に、自民党土建族を中心にした放漫財政で、赤字国債を垂れ流してきた当時、それを、君たちは適正に批判してきたのか?
 今になって、過去の借金あるからと、政治が委縮しては、景気は絶対に回復しない。この点を重視するべきだ。

 私とて、借金が多い財政体質が良いとは言わない。良く言われる、「会社だったらとっくに倒産」と言うのも、イメージ的にはわかる。しかし、国を含めた公共団体は、営利社団法人である会社とは違う。本当に破綻に瀕したアメリカとは違い、まだ埋蔵金アメリカ国債もある。これらを活用して景気を立て直すことが、国際的にも約束したことである。

 今を乗り切らずして、明日はない。
 財政規律派のマスコミに、その展望はあるのか?