61479643*素人の考える、沖縄基地不要論(その2
 保守系マスコミの狂態については、前々回の記事でも書いたし、前回の記事でも、自民党と財界の利権のために、騒ぎまくっていると書いたので、これ以上は触れない。馬鹿を、何度馬鹿と言っても、馬鹿が治らないのが普通だし、彼らは直接的な金で動いているのだから。

 そこで、いよいよ、沖縄に、少なくとも普天間代替の海兵隊基地は要らない、という論の中核に話を進めたい。
 昨日から、今日の間に、私も1つ賢くなった。
 前の記事の裏を取るために、ネット検索をした結果、普天間基地移設の経緯と、その代替施設建設に関する、俗に「SACO合意」(http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/hosho/saco.html 参照)という、日米間の合意がある。条約と言うほどのものでは無く、当時のモンデール駐日アメリカ大使が署名しているので、国家間の条約よりは一段下の、事務方の合意と言う扱いになるかとは思う。正式にはわからないが、大統領が署名した物ではない。日本側も外務大臣である。
 公式のものではあるが、条約とは違う点を重視するべきであるが、これはひとまず、置く。

 内容は、上記のURL先を参照願いたい。締結は1996年。約13年前。クリントン政権の中期に当たる。
 合意文書の冒頭部分にもあるように、市街地に立地し続けることになる普天間海兵隊基地の移設と、いくつかの米軍施設の、土地を含めての日本への返還という内容である。
 別のルートの知識では、同じころ、クリントン政権は、西太平洋から南太平洋に展開していた米軍の基地を撤収し、本国に戻している。それぞれの規模はごく小さなものだったが、方向性として、日本だけでなく、ミクロネシアなどの国から、米軍は自発的に退去していたのである。

 ただ、この「SACO合意」では、普天間基地は、あくまでも移設であり、海兵隊も沖縄に駐留し続けると言う前提で、その基地をどこかに作ると言う物である。
 つまり、この合意では、いくつかの米軍施設は返還され、その要員も一部は本国なり、他の配備先に行ったのだろうが、こと、普天間海兵隊基地に関しては、移設であり、それには当然、海兵隊も一緒という前提にあったものと考えられる。

 この合意の後の、移転先として、すでにキャンプ・シュワブと言う、海兵隊の駐留地がある、名護市辺野古への、新基地建設の話が具体化する。想像だが、合意に至るまでにはすでにアメリカ側は当然として、日本側にも、代替施設予定地に関する、事務方の内諾くらいはあった。上記のURL先の後半に、最終報告書仮訳がついているが、そこにすでにキャンプシュワブと言う名前が出ている。

 しかし、敗戦直後に進駐軍によって建設された普天間基地とは異なり、日本に返還された後の沖縄で、新しい軍事基地を作るには、地元自治体、地域住民の合意などの、民主的手続きが必要となるのは当然である。
 そして、翌1997年、辺野古移設に関して、名護市の住民投票が行われ、周辺住民の過半数が反対と言う結果が出て、表面的には、普天間移設は、日米間の懸案となったまま、宙ぶらりんの状態になる。

 この後、ブッシュ政権になってから、アメリカは、在沖縄海兵隊第三軍団をアフガニスタンイラクと言った、イスラム国家との戦いに使用したため、普天間基地は、「戦時態勢」になり、移転どころの話では無くなった。
 現実問題としては、海兵隊と言うのは、ごく短期間の打撃を主目的とした部隊であり、アフガニスタンでもイラクでも、戦争の主力はまず海軍およびその航空機、ミサイルによる爆撃、攻撃、海兵隊も関与した物の、確かイラク戦争では、アメリカ陸軍第三軍団が主力をなしたものと記憶している(部隊名は違うかもしれない)。つまり、海兵隊は戦争に行ったし、兵員を入れ替えながら、ずっと戦争に関与はしているが、おもな戦闘活動は開戦の初期に限られ、部隊の大多数は、普天間および他の基地に戻っている。

 しかし、「SACO合意」にあるように、沖縄の米軍施設の面積にして21%を返還するという行為は普天間移設を除き、滞りなく終わりつつある。

 残った、普天間基地の移設が課題だったのだが、ここに、前の記事にも書いた、「戦争屋」(この呼称は、私の開発では無い。アメリカ国民がたてまつったあだ名だ)ブッシュ大統領は、イスラムとの戦争に行き詰まり、クリントン政権下で黒字に転換しつつあった国家財政を、「テロとの戦い」名義の軍拡と、アフガニスタンイラク戦費として浪費し、毎年、日本の国家予算に匹敵する金額を戦争に投じ続けた。
 この結果と、経済無知(ブッシュは地理、歴史、数学、文学、法学などの面でも無知だったが)のブッシュ政権下での、金融バブルが、リーマンショックとなって顕在化し、またサブプライムローンの焦げ付きにより、リーマンブラザーズを含む、アメリカ5大証券が、証券会社としてはすべて存続しなくなった(投資銀行になったりして、生き残りを図った)ほどの衝撃を受けた。
 「バカ・ブッシュ」(これは私の造語だが、固有名詞としても使えそうである)のしりぬぐいを、今、オバマ大統領が懸命になって(表面的には冷静に)行っているのが実状である。

 さて、前の記事の繰り返しになるが、軍拡と戦争に金を使いまくったブッシュは、イスラムとの戦いが行き詰っても、軍拡を止めたくなかった。なぜなら軍事利権の温床(ネオコン)が、彼自身と共和党の姿そのものだからである。
 そして、日本のため、と称して、海兵隊とその家族の幾分かをグァムに移転させることの費用を、日本からの「思いやり予算」でやらせる。普天間代替基地建設も、日本にやらせる。さらに、対中国攻撃用以外の目的に使えるとは考えられない、高江のv-22オスプレイ用ヘリバッド建設も同時に行う。

 自分の懐は可能な限り傷めず、SACO合意でいう、日本の、沖縄の市民の負担軽減のためだから、日本が金を出すのは当然と言う態度で、グァム移転費用、グァムでの住宅などの施設建設費用まで含めて、2兆円を日本が支出することになってしまった。

 どこかおかしくはないだろうか?

 前の記事にも書いたように、陸軍第一軍団の司令部の、キャンプ座間進駐などを含め、ブッシュが描く「(西太平洋における)米軍再編」は、日本のためでも、沖縄の市民の負担軽減のためでもなく、アメリカの思惑と都合で進められたものであるのだ。
 なのに、普天間移設にかこつけて、後から出てきたグァム移転費用まで含めて2兆円を日本からの「思いやり予算」で賄うことをちゃっかりと決めてしまったのである。

 最初の「SACO合意」とは、別次元の話になっているのに、余分な金までふんだくっていくのである。

 しかし、当時の自民党政権は、全く異論を唱えず、この2兆円の負担を飲んだ。なぜならば、それが、日本の防衛に寄与するからでも、宗主国アメリカ様のご機嫌を取るためでもない。国庫から出る2兆円と言う金額を、自民党腐敗政治家と、その腰ぎんちゃくの官僚。工事を受注する土建業を中心とする企業の利益。そして当然、そこでの談合と、中間マージンを取ると言う、自民党の古典的私腹の肥やし方がそこにあるからである。

 さて、今日も長くなったので、まとめに入ろう。
 特に重視すべきは、本来の普天間代替、では、海兵隊の部隊も一緒にその基地に移転するはずであった。
 しかし、ブッシュ政権下での「米軍再編」では、海兵隊の多くとその家族の宿舎は、グァムに移転する。
 ならば、なぜ、兵員の駐留しないはずの基地建設が「日米同盟のために不可欠」なのか、誰か説明してもらいたい。

 不可欠だと言っているのは、土建利権、マージンを当てにしていた自民党と財界であろう。
 特に、政権を奪われ、利権の基の官僚支配を打ち壊そうと言うことを標榜する民主党政権のもとで、政党交付金衆議院に関しては三分の一になった自民党としては、2010年夏の参院選を闘うための資金および財界への餌として、この2兆円は極めて大きな利権なのである。それを手放したくない。
 だから、自民党は御用マスコミや御用文化(?)人を総動員して、「日米同盟の危機」を叫び、天皇への中国副主席の面談問題やら何やらかにやら、なんでも屁理屈をつけては、民主党鳩山首相をたたき、少しでも自分たちの思うようにさせようと躍起になっているのである。

 こう見れば、兵員のいないはずの新基地建設も何もかも、必要だと叫ぶ奴らの腹のうちがわかるだろう。
 もちろん、新基地がどこにであれ、できた場合、兵員が全くいないと言うことはないというような理屈は私は承知で言っている。
 訓練用に使う、戦争の時(中国との????)に使う・・・・。
 「日米同盟堅持」を叫ぶ連中は、そういうだろうし、「辺野古に基地をつくらないと、日本の防衛が危うい」とまで、平沢勝栄とかいう自民党のへたなスポークスマンはテレビで叫んでいた。

 今日は、ここまでとするが、最後に。
 新基地が必要と主張するならば、日本は、貿易相手国として第1位になった中国と全面戦争する必要、少なくとも可能性があると考えているのか?

 それを、アメリオバマ政権内の親中国派の要人に聞いてみたのか?

 そして、そのために、要員がいない新基地をつくる必要があると、誰が言ったのか?

 答えは自明だと思う。

(追記)
 なにやら、日本時間の今朝、アメリカでは大雪のワシントンで、クリントン国務長官が、日本の駐米大使を呼び、何か言ったらしい。ここでも、3Kクオリティでで、具体的に何を言われたのかは明らかにされていない段階で、「重大な懸念を伝えられた」と、デマ報道をしている。

 では、今日はこの辺で。

(追記2)
 昨日の報道で、政府・閣僚の会合で、来年5月を、普天間移転先決定の期限とすると決めたとのこと。
 しかし、3Kクオリティに限りなく近い、読売系の「日テレ動画ニュース」によると、なぜか、「5月までに決まらなければ辺野古に決定」という、余分な一文がついている。
 政府関係者は誰もそんなことは言っていない。
 候補地としてすでに上がっている島など情報はキャッチしているが、政府はまじめに沖縄県外移設を含めて検討中らしい。

 私の希望は、「見つからないので、移転なし、基地廃止」なのだが、どうなることやら。
 ただ、「誰も言っていないことを、付け加える」という、3K(臭い、汚い、けがらわしい)クオリティを、ついに読売も駆使し始めたか、そうまでして辺野古にもっていきたいか、っと、利権の存在をまざまざと見せつける報道にうんざりする。