nohohonn68さんのご意見への私の意見

 今日は体調も回復してきたし、自宅に差し込むお日様も暖かく、気分が良いので、今日2本目の記事を書きます。

 昨日の藤崎駐米大使批判の記事に、それとは別に、連続記事として書いていた辺野古への基地移設問題に関して、nohohonn68さんが寄せてくださったコメントについて、私なりの意見をお返しします。
 まだ、nohohonn68さんのご意見をお読みで無い方は、まずそちらをお読みください。(2つ前の記事のコメント欄)

 簡単に要約すると、市街地にある普天間基地の危険性は喫緊の課題であり、早急に移転をするべきである。そのために、辺野古移転もやむをえない。ただし、15年と言う期間を設ける(これは辺野古基地の運用期間が15年という意味と解釈してよろしいですね?)。

 乱暴なくくり方ですが、以上のご意見だと思います。

 実は、先にコメントを書いていただいた上で、私の連続投稿の最後の記事を書きましたが、結論部分で、私は、海兵隊のグァム移転(正確には兵員8000人、家族9000人であり、在沖海兵隊のすべてではない)をアメリカが言い出している以上、対中国、北朝鮮への刺激にもなりかねない、辺野古基地移転は日本にとって不要で、ある意味、泥棒に追い銭であっても、「米軍再編」で日本側負担となった2兆円で、グァムに新基地を作ってでも、辺野古に基地を作るべきではない、と述べています。もちろん日本が払わなくて済むならその方が良いですが。

 nohohonn68さんは、対中国で、私より厳しい見方をされているとおっしゃいましたが、私も甘く見ているつもりはありません。
 ただ、戦争屋ブッシュの考えた世界戦略による、沖縄の海兵隊新基地、と言うのは、やはり、高江のヘリバッドを含めて、対中国の不安要因、刺激要因になると考えています。
 それはただちに戦争に結び付かないでしょうが、今後の、アジア共同体構想の前進の上で、間違いなく、障害になると思います。

 ですから、私は日米安保を、今すぐ廃棄しろとも、嘉手納基地をただちに返還しろとも言わないのです。
 ただ、軍略の上で、空軍基地である嘉手納基地には、台湾防衛という役割をアメリカはもたせていて、日本だけの考えで動かすことはすぐには難しいですし、その存在感が大きいのも認めます。
 やがて、対話が前進し、軍拡競争をやめて、共同体が完成すれば、嘉手納基地も、少なくとも日本にとっては不要になるでしょう。

 ただ、辺野古は、アメリカ自身が、沖縄に駐留する必要が無い、と言った部隊用の基地と言う、おかしな理屈に立っています。
 その2に書いた、「SACO合意」の上だけなら、確かに辺野古移設と言う筋書きになるでしょうが、端無くも、ブッシュは、グァム移転を言いだしたのです。

 その背景には、海兵隊員の乱行による、沖縄県民の被害(沖縄返還後、米軍による事故、事件で死亡した日本人は1000人以上)と、それに起因する基地反対のことを考え、グァムに住んで、グァムから出撃する方が、アメリカの準州の中でもあるし、兵士たちにとっても暮らしやすいと言う点もあるでしょう。
 1200キロ程度の距離は今の航空機には問題ではありません。
 ちなみに、米軍は、兵士の国籍に対して非常に緩やかで、かつてアメリ信託統治領だった西部、南部太平洋諸国、さらにカリブ海の一部の国の国民も、特段の手続きなしに米軍に入れます。ある意味、アメリカ永住権を獲得するためのステップとして、また、まだ経済的に貧しい太平洋の島嶼国の民としては、魅力的な就職先がアメリカ軍なのです。ただし戦争に行けば、そんなものはひっくり返りますが。

 ですから、白人が圧倒的に少ないアメリ海兵隊の兵士の多くは、黒人、中南米系黒人、そして太平洋島嶼部の国民が多く(ここに、いまだアメリカに人種差別があることを、ここで指摘しても仕方が無いでしょうが)、グァムは彼らにとっても住みやすいはずなのです。

 少女暴行をする野獣を許せはしません。法が許せばわが手で罰したいほどの怒りを持ちます。沖縄県民の気持ちはその幾十倍でしょう。ほいほいアメリカ兵について行く女が悪い、という、バカな論調が3Kクオリティでありますが、アメリカ兵が息苦しい思いをして兵舎にこもっているから、そういうことになるなら、ぜひ、彼らも自国に近い気候のグァムに移住させてあげた方が良いでしょう。
 双方のためになります。
(先の少女暴行事件で私がもっとも嫌悪するのは、3Kの3バカの一人花岡の上記の言い分では無く、被害者の少女宅に押し掛け、告訴を取り下げなければ、少女の実名を報道するぞ、と脅迫した「週刊新潮」の方への物の方が大きいですが。)

 沖縄からの基地返還を嫌がるのは対中国の軍事拠点を失いたくないアメリカだったはずですが、今回グァム移転を言い出したのはアメリカ。ならば、普天間は、グァムに行ってもらいましょう。

 直接の破壊力はすさまじいながら、陸上を占拠して戦闘をする海兵隊と、空軍は違います。だから、嘉手納は、要としてもう少し先にして、まずは、普天間海外移転と言う「実績」を勝ち取ることが重要だと思います。

 今でも財政赤字などの内政で手いっぱいと言われるオバマ政権。
 イラク・アフガンからの撤兵も一応、期限を区切りました。
 日本の左派が、自衛隊派兵を求められると警戒し、安倍晋三に代表される極右ネオコンが、これで海外派兵ができる、と期待したアフガンへの日本の地上部隊派兵の要請は、結局オバマからは来ませんでした。(この点については、私はオバマ就任当時から予測していましたので、左右両陣営双方の不安と期待のどちらもが滑稽に見えました)

 イラク・アフガン戦争からアメリカが手を引き、軍事費のくびきから解き放たれることを望むならば、やがて、東アジア共同体構想は具体化し、嘉手納空軍基地の存在も不要になるでしょう。

 普天間、グァム移転は、その一歩と私は思います。

(追記)
 私のダイビングの師匠の一人であるsuyap(HNです)さんが運営するブログ「ミクロネシアの小さな島 ヤップより」(http://suyap.exblog.jp/)に出ていましたが、ヤップ島(ミクロネシア連邦の州の1つ)から、アメリカ軍に入り、イラクで戦死した若者がいて、その両親は、毎日バドワイザービールを飲んだくれて酔い潰れていたそうです。彼らのことを、島の人は、「奴らは息子の血を飲んでいる」と言ったそうです。

 戦争反対。死ぬのも殺すのもいやだ。